エルサルバドル戦

日本代表が2-0でエルサルバドルに勝利しました。相手もメンバーも違うので、なんとも言えない部分もありますが、トリニダード・トバゴ戦と比べると3-4-2-1が機能していたと思います。相手があまり前からプレスにこなかったので、冨安選手と畠中選手から効果的なパスが何度も出ていました。実際に2人のパスからゴールが生まれましたし。
約10年前はSBに比べCBがいないなんて言われていた時期があったと思いますが、いまやだいぶ層が厚くなったと思います。競り合いに強くスピードもあり、攻撃の起点にもなれる。頼もしいです。
原口選手と伊東選手のWBも良かったと思います。不慣れな位置だったので、これからもっと良くなると思いますし、自身がどう思っているかは分かりませんが、引き続き3バックでいくなら彼らのWBを引き続き観てみたいと思います。


この試合のMOMは間違いなく永井選手でしょうが、それにしてもFC東京が強い理由が分かる試合だったのではないじゃないでしょうか。橋本選手もMOM級の素晴らしい活躍をしていたと思います。代表に定着しそうですよね。前回出場した試合もフル出場しているので、森保監督の信頼も厚いと思います。潰しだけではなく、散らしもできて得点能力もあるので、楽しみな選手の1人です。
永井選手はある意味もっていましたね。追加招集ながら結果を残しました。正直、普段の永井選手の決定率はそこまで高くないのに、どちらも素晴らしいゴールでした。森保監督も前線からのプレスで相手のバランスを崩すことを期待していたんじゃないでしょうか。まあ案の定メディアがピックアップするのは久保選手ですから、ある意味もっていないのかもしれませんが(笑)


そして久保選手。私はテレビで観戦していたのですが、急に会場が沸きましたよね。それくらい注目される選手は久しぶりじゃないでしょうか。いつの試合か忘れてしまいましたが、本田選手、香川選手が同時投入される試合があり、そのときも会場が大変なことになっていました。ただ、そのとき既に2人は日本代表の中心。いかに久保選手が注目されているかが分かるシーンでしたね。久保選手にとってはどうか分かりませんが、日本サッカーにとっては良いニュースですよね。森保JAPANが発足し、NMDが話題となりましたが、最近は試合ごとに主役が違う競争の激しい良いチームだと思います。これまであまりサッカーに興味をもっていなかった人が日本代表、そしてJリーグに興味をもつキッカケになったかもしれません。そんなプレッシャーの中、FC東京でやっていることを初代表でも普段通りしてしまう久保選手は長友選手の言葉を借りると「怪物」なのかもしれません。そしてもっと恐ろしいのが、今季の久保選手を観ている人からすれば、久保選手ならもっとできると感じた方は何人もいたのではないでしょうか。今季の久保選手は毎試合このくらいはやりますからね。


ただ、先程日本サッカーにとっては良いニュースと書きましたが、一歩間違うと危険でもあると思います。本人も言っていましたが少しピックアップされすぎですよね。大迫選手がシュートを撃ち、惜しくもライン上でクリアされてしまったシーンや最後のFKは確かに久保選手がフリーでしたし、良いFKを蹴ることができますから、初出場初得点を果たしていたかもしれません。でも、あの場面で大迫選手、中島選手が譲っていたら、セルジオ越後さんの言う通り「興行としては成り立っても、強化にはならない」という事態に陥ってしまうと思います。興行という部分も確かに大事ではありますが、あくまで最終的には日本代表がW杯で好成績を残すための試合なのであって、久保選手のデビュー戦というのがメインになってしまっていたのが少し気になりました。


堂安選手、南野選手は少し心配ですね。アジアカップ以降、調子を落としてしまっていますかね。特に堂安選手はオリンピック世代のエースとされていますから、ここ最近のプレーでは非難されてしまうのも致し方ない部分もあるかと思います。当然悪意ある言葉で貶すだけというのは絶対だめですが。そして、そういった意見を自分の糧にできる選手だとも思っています。ただ、現状少し空回りというか、うまくいっていない状態で森保監督は2試合とも使い続けています。それまで活躍していた伊東選手を下げても堂安選手はフル出場させました。これの意図は分かりませんが、堂安選手はまだ20歳で疑いようのない武器を持っているわけですから、堂安選手が今後も使われてることに対しては異論はないです。ただ、ひとつ気になるのが森保監督が久保選手に対して発言した「育てる」という発言。A代表は育てる場ではなく、そのとき調子の良い、結果を出している選手が1分でも長く試合に出るべきだと思います。もちろん違うと思いますが、仮に堂安選手が贔屓されて試合に出ているとしたら、クラブで結果を出している伊東選手は納得できないですよね。コパ・アメリカでも若い才能のある2列目が多く選出されていますから、9月に始まるW杯カタール大会アジア2次予選のメンバー選考は楽しみですよね。


特に注目しているのは、吉田選手、昌子選手、冨安選手は当確として、CBは畠中選手なのかそれとも植田選手になるのか、もしくは新しい選手が呼ばれるのか。森保監督は今回結果を出した永井選手と同じ役割をコパ・アメリカでは前田選手に期待していると思います。どちらがW杯予選に選ばれるのか、もしくはコンディション次第では森保チルドレンの浅野選手ってこともあり得ると思います。


なんにせよ、まずはコパ・アメリカ。もっといえばU-20W杯で好成績を残し、トゥーロン国際大会も1位で予選を突破し、初の決勝進出、さらには優勝を目指して素晴らしい選手が戦っているわけですから、後々この時期を思い出すと日本サッカーが飛躍的なレベルアップをした時期になっているかもしれません。