モンゴル、タジキスタン戦②

10月の連戦で日本代表は勝ち点6をしっかりと手にしました。特にアウェイのタジキスタン戦が山場だと言われていたので、しっかりと勝ちきることができたのはとても良かったと思います。


まずは、モンゴル戦。なんといっても試合前に書いていた空中戦での勝負を多く見れたのはとても良かったです。シンプルかつ効率的に点をとれていましたね。ほとんどのゴールがヘディングという日本代表では少し珍しい試合だったと思います。でも、今の若い選手は身長が大きく、身体能力に優れた選手がたくさんいますから、これからもこういう試合は増えると思いますし、そうであってほしいと思います。これまでのパスワークやドリブルはもちろん、高さを武器にする新しい日本代表を少し観れた気がします。
ただ、それならFWの人選に少し疑問を持ちます。確かに永井選手は速いのはもちろん競り合いの高さ、という点でも素晴らしいものをもっていると思います。ただ、それでしたら好調の鈴木武蔵選手やオナイウ選手、それから武藤選手など、高さや強さが目に見えて分かる選手を呼んでも良かったのではないかなと思います。そういった選手は実際に競り勝たなくてもいいんですよ。実際に鈴木選手は競り合い勝つ選手というより、速さで抜け出してゴールのパターンが多いですから。でも、相手からしたら明らかに大きい、強い選手がいるだけで警戒せざるをえませんからね。


MOMは文句なしで伊東選手でしょうね。モンゴルの選手はあの速さ、強さは今まで経験したことがなかったでしょう。中島選手もこの試合はシンプルにクロスを多用して、これまでのサイドから中に切り込み狭いエリアで勝負する日本代表とは違いましたね。どちらも併用して使い分ければ良いとは思いますが、個人的には対アジアでいえばシンプルにクロスで合わせるほうが得点の確率は高いと思います。
遠藤選手は久しぶりの試合だったと思いますが良かったですね。確かまだ移籍してから一度も出場できていないと思いますが、代表初ゴールも決めましたし、この勢いでなんとかクラブで試合に出てほしいですね。
吉田選手も言っていましたが、この試合で一番残念なのは冨安選手の怪我ですね。コパにも出て環境が変わり、ほとんど休めていませんから、いつかはこうなるとは思っていましたが、まさかユベントス戦前に怪我をしてしまうとは。セリエA首位チーム相手、さらに言えば世界最高の選手を相手にする冨安選手を観たかったので残念です。


そしてタジキスタン戦。こちらは特に前半は難しい試合になりましたね。ただ、それでも前半は耐えて後半勝負という共通認識がしっかりとチーム内であったようなので、それは良かったのではないでしょうか。
では、なぜ前半が難しい試合になってしまったのか。まず、私の予想していたよりもタジキスタンは良いチームでしたね。しっかり繋ぐ意識があり、引き分け狙いではなく勝ちにきていました。実際に失点してもおかしくないシーンがありましたし。ただ、それでも戦力差は大きく、結果論にはなってしまいますが、もっと楽な試合展開にできたと思います。
前半、芝の影響かパスがズレてしまう場面が何度もあり、狭いエリアを崩していくプレーができませんでした。吉田選手、植田選手からのパスも成功率はあまり高くなかったと思います。それで逆にカウンターをくらう場面が何度もありましたが、モンゴル戦のスタメン、それから戦い方で挑んでいれば、違ったのではないでしょうか。鎌田選手は身長は高いほうですが競り合いが得意なタイプではない。そして鎌田選手を含め中島選手も堂安選手も足元でボールをもらう使われるより使うタイプの選手、どれほどプロにとって人工芝の影響があるのかは分かりませんが、普段のパス回しができない状況で、その前線では、パスの出し所がなく、結果相手ボールになってしまうのは、ある意味当たり前だと思いました。
結果この試合はすべてクロスからの得点でした。それでしたら、サイドを突破できる伊東選手、それから動き出しがうまい永井選手、浅野選手を最初から起用するべきで、結局中島選手、酒井選手のクロスの質、南野選手、浅野選手の動き出しの質の高さ、個人能力の差で勝利したわけで、チームとしての采配には少し疑問をもちました。


浅野選手の起用には少し驚きました。
私は浅野選手はゴールから一番近い位置で能力を発揮する人だと認識しています。ハリルホジッチ監督時代はサイドの位置で起用され、あまり活躍することはできていなかった印象を受けました。1人で打開できるタイプではないと思うので。
そしてタジキスタン戦も中島選手に変わり、そのまま左サイドでしたね。おそらく前線からのプレスを期待されての出場だったと思いますが、これからも選ばれたとして、どの位置で使われるのでしょう。結果的に点を決めましたし、森保監督の采配が的中したわけですが、なにか腑に落ちないのは私だけでしょうか。これまで通り中島選手の守備が不安で交代ということでしたら、原口選手で問題なかったと思いますし。浅野選手をよく知る森保監督がなぜあの位置で起用したのか知りたいです。


11月に今年最後の国際Aマッチデーがあります。たらればになってしまいますが、ユベントス戦、レアル・マドリード戦を万全の状態で戦っていたら若き日本人選手はどのような活躍をしていたか、まあこんなことを言ってもしょうがないとは思いますが、メンバーがほぼ海外組になった日本代表において、これまでも2次予選から全力勝負だったからといって、常にそのときのベストメンバーを呼ぶ必要があるのか。前にも言いましたが私はその必要はないと思いますし、国内組にも素晴らしい選手がたくさんいるとも思います。なにより、仮に国内組だけ呼んで多少戦力が落ちたとして、そこを補填するのが監督の手腕ではないでしょうか。真偽は分かりませんが、タジキスタン戦の後半、選手の判断で南野選手と鎌田選手の位置を変え、うまくいったと見ました。現状ですと、言葉が悪いですが個人能力が高い選手を起用して、あとは選手の能力任せなのではないかと思ってしまいます。