11月の代表戦

まずはキルギス戦。結果的には無失点で勝利しましたが、得点はセットプレーのみ、そして権田選手のセーブに助けられましたが危ないシーンが何度もありました。ピッチ状況が悪かったのは確かにありましたが、それはある程度調査済みだったと思います。前々から疑問なのですが、事前の調査はどの程度できているんですかね。私のような情弱は相手の情報などほぼ知らず、どんな選手なのか、どんな戦い方をしてくるのかなんて分からないのですが、今回のキルギスのようなあまり情報が多くないであろうチームに対して、日本代表スタッフはどの程度、事前の調査をしているのでしょう。というのも特にアウェイ戦だと前半はある程度我慢というか、相手のやりたいことを受けた上で相手を理解し、後半疲れた相手に対して攻めている印象を受けます。運良く無失点で済んでいるので良いですが、これで仮に前半のうちに失点してしまったら、それこそ日本の用意しているパターンができなくなってしまう可能性もあります。じゃあ森保監督の用意しているパターンとはなにか、と言われたら正直まだ分かりかねますが。
中島選手ではなく、原口選手がスタメンでした。ここを見ると相手がある程度攻撃力があり、不安とされている中島選手の守備力を考慮して原口選手を抜擢したと考えると、事前の調査通りだったのでしょうか。ただ、それが功を奏したかは正直微妙。逆に起点となる選手がいなかったため、前線でタメを作れず、出しどころに困るシーンを多く見受けられました。
守備に関しても結構やられてましたね。特に日本の左、長友選手のところから攻められている印象をうけました。最近は長友選手のオーバーラップの頻度が減った印象を受けます。中島選手は個人で勝負できる選手なので敢えてしていないのかと思ったのですが、今回の試合でもあまりしていないように思いました。そもそも何度も前線に上がり数的優位をつくる運動量が必要なタイプじゃなくていいのであれば、長友選手じゃなくても良いわけですから。所属クラブで不吉なニュースが流れていましたが、どうなりますかね。個人的には見てみたい左SBが何人かいますが。
まああれこれ言っていますが、アウェイ戦が多かったなか、全試合無失点勝利は素晴らしいと思います。長友選手のポジションも含め、そろそろ新しい選手、戦術を公式戦で試してみても良いのではないでしょうか。


U22日本代表はコロンビア代表と試合しました。これまでA代表で活躍してきた選手たちと、完全アウェイのブラジル代表に勝利したチームの融合ということでA代表より注目度が高かったのではないでしょうか。ただ結果は完敗。単純にコロンビア代表が強く良いチームだったということは間違いないですが、ブラジル戦を観たあとだと残念な試合内容になってしまったというのが正直な感想です。
ブラジル戦ではチームとして全員の意識が統一できていたように思えましたが、今回は個人個人の判断でプレーしているまるで即席チームのようでした。何故これまでやっていたことが森保監督が帯同したらできなくなってしまったのか。そもそも戦術を変えるのであれば兼任の必要があるのか、この世代は良い選手が本当に多く、期待が高かったために疑問に思う部分が多々ありました。
ブラジル戦もコロンビア戦も基本的には引いて守ってカウンター、数少ない人数で攻めきるのが戦術だったと思います。だから堂安選手、久保選手にボールが入ったときに周りのフォローがないといった意見を試合後よく見ましたが、それはある意味当たり前でブラジル戦の三好選手、食野選手も孤立する場面が多々ありました。むしろ私が全選手が堂安選手、久保選手を見すぎている印象を受けました。そりゃ相手からしたらそこだけ気をつけていればいいわけですから、守備は簡単ですよね。今回は碧選手が不在のため、試合をつくる選手がいなかったのも大きかったと思います。ただ、じゃあ特定の選手がいなかったらチームが成り立たないというのはおかしな話で、その状況でも自分のチームをつくることが監督の仕事だと思います。
やはり最も良い改善案はA代表と同じフォーメーションにすることじゃないですかね。
日本の武器である前線の枚数を減らすのはもったいないと思います。コロンビア戦でいえばボランチがゲームを作るタイプではなかったので、久保選手と菅原選手で右サイドからゲームをつくる、キープできる堂安選手を中央に置き前線でタメをつくる。これだけでも違ったんじゃないかと思うんですよね。左を食野選手か前田選手にすればザックJAPAN時代の左右逆のイメージですね。カウンターならカウンターでも良いですけど、Cロナウド選手やムバッペ選手のようなタイプは現段階で日本にはいないんですから、ある程度前線に枚数をかけないと、ずーっとディフェンスのラインは下がったままになると思います。その点、同じカウンターでもロンドンオリンピックの日本代表は戦術がシンプルで良いサッカーをしていましたよね。あのときのキープレイヤーと同じタイプの選手が今のU代表にもいるんですから、それでも良いと思うんですけどね。


そしてベネズエラ戦。まさかの前半での4失点。これはコパのチリ戦に並ぶ森保JAPANの最多失点試合なのですが、どちらの試合にも共通しているのが、テンパってしまい、その間に勢いでやられてしまったパターン。落ち着けばできることができなくなってしまい、ぼろぼろになってしまいましたね。その状態を見逃さず即座に弱点をついてきたベネズエラも素晴らしいですが、それにしてももう少しどうにかできたと思います。
まずDFリーダーがいませんでしたね。植田選手、畠中選手の個々の能力は素晴らしいとは思いますが、コンビとしては改善点がたくさんありますね。特に植田選手は試合前にチームを引っ張る、目の前の敵に負けないと言っていたので、楽しみにしていたのですが、あまりそういったシーンを見ることはできませんでしたね。一番の武器である競り合いにしても、相手はロンドン選手ですから負けるのはしょうがないとしても、競ることすらしないシーンが何度かあり、残念でした。正直今回の試合で少し評価を落としてしまったと思いますが、元々すごい期待していた選手だけに、なんとか化けてほしいと思います。個人的には鹿島に戻ってきたほうが植田選手にとっても鹿島によっても良いとは思うのですが。
植田選手のことばかり書いてしまいましたが、ベネズエラ戦は人は足りているのに失点してしまう最悪のパターンでした。相手はコパアメリカに出ていた選手がほとんどでしたから、圧力に対してラインがズルズル下がってしまっていましたね。あそこはやや強引でも下げちゃいけないですね。そもそも前線での連携ミスからのイージーミスが何度かありラインをなかなか上げづらかったのもあると思いますが。
後半を無失点で抑えられたのは三浦選手が入ったからか。三浦選手はよく喋ってましたね。その効果は確かにあったと思います。あとは山口選手の予測力、奪取力というのはやはり凄いと改めて思いました。ただ、南米選手特有の流して試合を終わらせる感じが後半開始早々から見受けられましたね。
古橋選手はもっと観たいと思いましたね。怪我でもない限りはE-1にも選ばれると思うので、層が厚いポジションを掴み取ることができるか楽しみです。大島選手、オナイウ選手もE-1で観れると良いですね。植田選手は怪我で交代らしく、それで森保監督の交代プランが崩れてしまったそうですが、まあそれは良いとして、チャレンジカップだから前半で大量失点した際に敢えてなにもせず選手の修正力を期待したのか、さすがに監督も選手同様パニックになってしまったということはないと思いますが、正直11月の連戦で森保監督に対する不信感を抱いてしまった人は多くいると思います。


まあE-1やU世代の試合が12月にもありますので、その試合で勝つだけでなく、監督のやりたいサッカーが明確に分かる試合を観せてくれれば、意見が変わると思いますが、なにより今回は監督自身も言っていた準備不足の一言に尽きると思います。それは監督だけの責任ではなく、協会がそもそも兼任する必要があるのか、から再考するべきではないでしょうか。