代表監督に戦術は必要か?

突然、突拍子もないことを言いますが、これを見てくださった方は代表監督に戦術が必要だと思いますか?当然ですが、監督には自分の戦術、システムを持っています。そして選手にも自分の得意な戦術、ポジションがあります。最近の日本代表を観ていて、仮に代表監督に戦術がなかったら、果たしてどうなるのかを考えるようになりました。


森保監督は広島時代から3-6-1というシステムを使用します。そして状況によってボランチの1人が最終ラインに降りて俗にいう可変式という戦術を多用します。オリンピック世代は発足当初からこのシステム、戦術で戦い、A代表も昨年末からそうなりつつあります。海外組が招集されたらどうなるかは分かりませんが。
で、一番大事な部分なのですが、あくまで私見ですが、チームとしての機能しているところをあまり見たことがありません。先日ブラジル相手にアウェイで勝利した試合も私的にはチームとして勝ったというより選手の能力で勝ったように感じました。
ミドルシュートが多いんですよね。ブラジル戦も先日のU23選手権のゴールもすべてミドルシュートでのゴールです。決してミドルシュートがダメだとは言っていません。この世代のシュート精度が良いということですし、ゴールへの意欲が高いとも言えます。
でもそれって結局選手の能力が高いだけでチームの攻撃とは言えないと思います。実際見ていないですが容易に想像できるのが、「積極的にシュート打っていこう」とおそらくチームとして話しているのではないでしょうか。そんなのはチームとしての戦術ではなく小学生を指揮しているコーチですら言っていることです。そもそも森保JAPANがどういう攻撃をしたいのかすら分かっていませんが、チームとして崩しての得点をここしばらく見ていないのがとても不安に思います。


そもそも代表とクラブの監督の役割は違うと思います。代表監督の方が圧倒的に時間が足りない。海外組が多い島国であれば尚更だと思います。ここで本題なのですが、果たして代表監督に戦術は必要なのでしょうか。異なる武器を持った選手がたくさんいるのですから、戦う相手によって最善の戦術、システムで戦った方が効率的ではないかというのが今回のテーマです。
例えば、現在戦っているW杯アジア2次予選の相手は、チーム全体で引いて守ってカウンターを狙ってくるチームがほとんどです。実際に失点はしていませんが、カウンターから危ないシーンが多々ありました。日本はパス、ドリブルで崩そうとしていましたがほとんどの選手が自陣に戻り真ん中を固めている相手では個で勝ってようがさすがに崩すことは容易ではありません。アウェイだとピッチコンディションが悪いので、尚更だったと思います。
真ん中を固められているのであれば、サイドから崩せばいい。昔の日本代表はパワープレイが苦手でした。ただ最近は身体能力の優れた選手がたくさんいます。海外組も増え日頃から外国人選手と切磋琢磨しているわけですから、対アジアの場合はむしろパワープレイを武器にする時代がきたのではないでしょうか。

CB
吉田 冨安 植田 立田 渡辺
SB
酒井 橋岡 杉岡 町田
SH
伊東 仲川 相馬 遠藤
FW
大迫 南野 鈴木優磨 オナイウ

ぱっと思い浮かんだ選手を羅列しましたが、DF・FWには高さがあり競り合いが強い選手を配置し、ひたすらサイドから攻撃を仕掛ける。時間に限りのある代表期間の練習ではセットプレーの練習を行い、FKやCKの精度を磨く。日本代表の公開されている練習を見ると、戦術の確認やシュート練習をしていますが、私にはそれが実際に試合で出来ているとは思えません。それならばシンプルな戦術でその戦術にあった選手を起用した方が良いのではないでしょうか。
逆にヨーロッパや南米相手だと、スピードや高さよりもドリブルやパスワークが有効となるのではないでしょうか。

CB
昌子 畠中 岡崎
SB
松原健 菅原 

MF
柴崎 大島 田中碧
中島 堂安 三好 安部 久保
FW
永井 浅野 前田

テクニックのある繋げる選手を羅列しました。FWは正直テクニックのある選手ではないですが、スピードがあり前からプレスをかけられる選手を配置し、相手のDFラインを下げ中盤のスペースをあけることによって、ドリブルやパスワークが効果的になると思いこのメンバーにしました。それこそミドルシュートも打ちやすいですし。
相手によって試合のプランを立て、そのプランに適した選手を招集する。もしくはある程度どのプランにも適用できる人選をする方が効率が良いと思うんですよね。


というのはちょっとした冗談でした。そんな簡単な話ではないことは分かっています。ただ、なぜこんなことを言ったかというと、森保監督のスタメン選考を見ていてもプランが分からないんですよね。どういう意図で選手を配置しているのかが良くわからないんですよ。私的には森保JAPANはバランスが悪い。
私の中で選手は「使う」選手と「使われる」選手に分けられます。柴崎選手は「使う」選手で岡崎選手は「使われる」選手になります。チームをつくるにはどちらのタイプもバランスよく必要だと考えています。ただ、今の代表、特にU代表はとにかくバランスが悪く見えます。コロンビア戦の久保選手堂安選手三好選手の「使う」選手を3枚並べて森保監督はどうしたかったのでしょう。U23選手権もそうです。食野選手と旗手選手のシャドーも私的には気持ちが悪い。どちらも間違いなく良い選手です。ただ、片方は「使う」森島選手を配置した方がバランスが良くなっていたと思います。


要は森保監督はシンメトリーのチームを作るんですよね。WBを杉岡選手と橋岡選手にしたり同じタイプの選手を配置するんですよ。シンメトリーなのにバランスが悪いというなんとも矛盾したことを言っているのは自覚しております(笑)
ただ、これだけは言っておきますが、私の思う強いチーム、そして観ていて楽しいチームはアシンメトリーのチームがほとんどです。