モンゴル、タジキスタン戦

再びW杯杯予選が始まります。
今回も本気モードでしたね。視聴率、観客動員数はとても大切なことですが、新しい環境に挑戦する選手が多かった今夏、果たして2次予選をベストメンバーで挑む必要はあるのか、少し疑問ではあります。メンバー発表の際にも記者から同様の質問を何度もされていましたね。もしかするとそれに対しての森保監督の言葉も本心ではなく、ああ言わざるをえないなにか、があるのかもしれませんね。


ミャンマー戦も本来はベストメンバーを揃える必要はなかったと思いますが、W杯予選の初戦、アウェイ、そして初めて経験をする選手が多い状況だったので、特に異論はありませんでした。実際に苦戦すると私は予想していましたし。
そんななか、順当に勝てたというのは良かったです。割と早い時間で点をとれたのは大きかったと思います。実力的に差があるのに、なかなか点をとれないと変な空気が流れるものですから。
中島選手は運べるしキープもできるし決定的なパスも出せる。この試合に関しては指摘されていた守備にも奔走していて、とても良かったと思います。ただ逆に言うと、新しい発見というか収穫は正直あまり多くなかったのではないでしょうか。いつものメンバーがコンディションの優れないパラグアイと実力差のあるミャンマーに勝った、大迫選手+NMDの凄さを再認識したくらいですかね。


ただ今回は大迫選手が不在。ポスト大迫を探すのか別の戦術を用いるのか、実際に試合を観てみないと分かりませんが、噂では3バックに挑む可能性があるようです。
前回のミャンマー戦前にも書きましたが、私は3バックには賛成で、中を固めてくる相手に対してサイドから攻めて中にスペースをつくる。オーソドックスかつシンプルな戦術ではありますが、実力差がある相手に対して、これだけで十分だと私は思います。
もうひとつオーソドックスかつシンプルな戦術として、ひたすら高さで勝負する日本代表をいつか観たいです。これまで日本が何度もやられていた高さで戦うというのは少し違和感がありますが、吉田選手、冨安選手など守備の選手はもちろん、大迫選手や武藤選手、それから国内ではオナイウ選手など、高さで戦える選手が増えてきたので、シンプルにクロスをあげて競り勝つというのも良いのではないでしょうか。少なくとも2次予選の相手より強い相手と普段から競り合ってるわけですし、アウェイの場合ピッチ状況によってパスやドリブルがしづらいことが考えられますから。


そして今回選ばれたのは永井選手、浅野選手、鎌田選手。みなさんも思ったでしょうが守備のラインを下げて守りを固めてくるであろう相手に、果たしてスピードが武器の選手を2人も選ぶ必要があるのか、というのはひとつ注目ポイントですね。もちろん永井選手や浅野選手がスピードだけの選手というわけではないですが、限りある人選の中で違う武器をもつ選手を選ぶのが盤石だと思うので。
スタートの位置は大迫選手が一番前ですが、試合が始まると大迫選手は下がってボールをもらい、南野選手が最前線にいることがよくあります。つまり大迫選手がトップ下の状態になるということですね。そういう意味では鎌田選手が出た場合、これまでの戦い方がある程度できると思います。大迫選手のように下がってボールをもらい、試合を作っていくタイプだと思うので。俗に言う「使われる」タイプではなく、「使う」タイプの選手ですよね。前回の代表戦では、トップ下に香川選手、トップに鎌田選手でどちらも「使う」タイプだったので少し違和感がありましたが、鎌田選手+NMDも機能すると思います。競り合いの面で少し不安はありますが。



今の日本代表のシュートの意識がすごいのはもちろんですが、それよりも攻守の切り替えが素晴らしいと感じています。取られたらすぐに囲んで取り返す、もしくはファールでも相手の攻撃を止めるという意識が全員にあり、なかなか相手のペースにならない。これまでメンバーがある程度固定されているのでまだなんともいえませんが、12月に行われるE-1選手権で新しい選手が呼ばれたとき、注目したいと思います。
話は戻ってメンバー選考の件ですが、私は2次予選でベストメンバーを組む必要はないと思います。今更ですが、ベストメンバーというのは語弊がありますね。これまで呼ばれている選手や、最近移籍した選手は呼ばなくていいと思います。
森保監督の言う通り、選手は覚悟と誇りをもって戦っていると思います。ただ、先日のパラグアイ戦も2-0で勝利したわけですが、コパに出場していた選手もいたとはいえ、それでもブラジルを追い詰めたパラグアイとはだいぶ違いましたよね。さらにいえば代表引退後の長谷部選手の活躍、そしてチームで好調だった大迫選手の怪我を考えると、どうしてもそう思ってしまいます。


まずは今回の2試合で勝ち点6をしっかりと獲得すること。これは最低条件として、できれば11月の試合も含め、新しい日本代表が観れることに期待したいと思います。

日本代表メンバー発表

日本代表メンバーが発表されました。

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予想していたメンバーとは5人違いました。3人以内には抑えたかったので、残念です。
まずは川島選手。引き続き呼ばれましたね。コパでも結果を出し、W杯予選が始まるために川島選手の実力、それから経験を必要としたのでしょうか。中村選手を再び呼んでほしい気持ちがありましたが、J2は代表期間も試合がありますし、首位にいる柏目線で考えると良かったですね。


室屋選手、杉岡選手が選ばれると思っていたのですが、室屋選手は怪我から復調しつつあるという状態のようですね。杉岡選手が選ばれないというのは少し意外ですし、両サイドができるとはいえ、純粋なSBが安西選手含め3人ということは、3バックの可能性もあると感じました。
ミャンマー戦はほぼ間違いなく守備を固められ、日本が攻めあぐねるというシーンが多くなると思います。どうしても楽勝というイメージがつきません。本来は圧勝しなければならない戦力差だとは思いますが、初戦でアウェイですし、予選を初めて経験する選手が多いですから。なんとか早い時間に点をとりたいと考えた場合、3バックのWBにすることにより相手の守備を中央から外へ分散させることができると思います。中島選手や堂安選手は外から中に動く選手なので、中は相当スペースがないことが容易に想像つきます。なので外から原口選手や伊東選手が攻めれば、中央にもスペースができてきて前線の選手がより効果的になれると思います。


前回、原口選手が無所属と書いたのですが、ハノーファー所属でした。大変失礼致しました。しっかりと試合にも出ていましたね。
中盤では山口選手が選ばれると思っていました。遠藤選手は移籍して間もなくですし、神戸での山口選手の貢献はここ最近さらに凄みを増していましたから。決して遠藤選手がいらないといっているわけではなく遠藤選手にはまずはクラブで結果を残せるように準備してほしかったです。
今回は海外組が19名ということで、メンバー発表の会見では親善試合と決して強豪とはいえないミャンマー相手にベストメンバーともいえる選出をした森保監督に質問が飛んでいましたね。移籍組が多い中で呼ぶ必要があったのか、と。ここからはなんの信憑性もないただの私の妄想ですが、久保選手の招集は完全に「大人の事情」も絡んでいるでしょうね。もちろん実力的にも呼ばれて当然の選手ではありますが、実際に観戦に行く方の一番観たい選手を聞いたら間違いなく1位は久保選手ではないでしょうか。いわば客寄せパンダ。でもしょうがないとは思います。実際に私もその1人ですし、ファンの獲得、協会に入るお金、というのも大事な要素ですから。よく親善試合の相手や選考に対して協会への悪口が見受けられますが、私は日本サッカー協会はすごいと思います。初めてW杯に出てから20年でこれだけ海外に挑戦できる選手を輩出し、W杯グループリーグ突破率も日本は確か上位なんですよね。


国内組4名のうち、2人がFWでした。鎌田選手は選ばれませんでしたね。フランクフルトで着実に試合に出場していて、公式戦で目に見える結果はまだ出ていませんが、招集させるのではないかと思っていました。それこそチームの中心になれるか大事な時期ではありますから、今回は見送られたのでしょうか。あとは密かに私が期待していたのはオナイウ阿道選手。昨シーズンから山口で活躍していたのは知っていましたが、今シーズンはさらに覚醒したといっても良いのではないでしょうか。キープもパスもできますが、なによりシュートの意識がすごいと感じます。実際結果が出ていますし。どちらかは選ばれると思っていたのですが、残念ながら今回はどちらも選ばれませんでした。永井選手は相変わらず好調ですし武蔵選手も着実に結果を残してきていますから異論はありません。永井選手のスピードがミャンマー戦に活きるかは少し疑問ですが。


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こちらはもうボロボロです。まず23名で予想していましたし、中山選手はこちらに選ばれると思っていましたが、怪我ですかね。チームでもベンチ外のようです。あとはAZがフライング発表をしたと報道された菅原選手、中村選手、三好選手は呼ばれると思っていましたが、移籍組ということで今回は考慮されたのでしょうか。長年この世代で呼ばれていた鳥栖の原選手やFC東京で出ている渡辺選手が呼ばれるかと思っていましたが今回は外れました。それにしても本当に既にチームでレギュラーの選手が多くてワクワクしますよね。U20W杯メンバーの齊藤選手や瀬古選手も既にJ1チームでレギュラーですし、なんなら次のパリオリンピック世代の選手も既にレギュラーで出ている選手も結構いるんですよね。今から楽しみでしょうがないです。


サイドの選手がMF登録なので、やはりこの世代は基本的に3-4-3なのでしょうか。
この世代のメンバーが多く招集されたコパ・アメリカは4バックでしたが、本番であるオリンピックはどうなるのでしょうね。以前にも書きましたが、既にA代表や海外でやっている選手が多いので、あまり本番までに全員が揃うことがないと思います。チームとして揃う時間がなく、せっかく兼任なのであれば、A代表とU代表で同じサッカーを目指すべきだと個人的には思っています。


安部選手のバルサBでの試合を観たのですが、凄いですね。何度も何度も削られながらも仕掛けていく姿に感動すら覚えました。その前には選手登録が間に合わずトップの練習に参加したとのことで、安部選手も「もっている」選手だと思います。
元祖?「もっている」選手の本田選手が経営に携わっているスクール出身ということで納得です。元々鹿島は現札幌の岩崎選手を獲得しようとしていたが岩崎選手が京都を選び、代わりに獲得したのが安部選手というのは割と有名な都市伝説ですよね。そんな安部選手はすぐに鹿島で活躍し、10番を背負うことになりました。今回も元々バルサは久保選手を獲得しようとして、よりにもよってレアルマドリードに移籍され、そのあとに獲得したのが安部選手。いまはニュースもなにかと久保選手ばかり取り上げられ、安部選手の移籍が決まった際、国内外で色々言われていましたが、近い将来には立場が逆転しているかもしれません。


海外組について

前にも書きましたが、今夏にJリーグから多くの選手が海外に挑戦しています。前回の後に発表されたのが北川選手(SKラピード・ウィーン)と食野選手、今日現在まだ確定はしていませんが、三好選手ももうほぼ決まりでしょう。

そして既に海外に挑戦していて、今夏に移籍した選手も多くいます。

冨安健洋(ボローニャ
遠藤航シュツットガルト
木下康介スターベクIF
柴崎岳デポルティーボ・ラ・コルーニャ
香川真司レアル・サラゴサ
岡崎慎司マラガCF
浅野拓磨パルチザン・ベオグラード
中島翔哉FCポルト
伊藤達哉(シント・トロイデン)
堂安律(PSV?)


ざっとこんな感じですかね?前回同様、書かれていない選手がいたらすみません。もう把握しきれないくらい選手が海外に挑戦する時代になりましたね。まだ始まったばかりですが、良い印象を受けるのは冨安選手、柴崎選手、香川選手、浅野選手ですかね。冨安選手は不慣れな右SBながら、着実に試合に出て結果を残していますし、柴崎選手、香川選手のデビュー戦を見ましたが、どちらも評価は高いのではないでしょうか。リーグのレベルを考慮する必要はありますが、浅野選手もやっとセンターで使ってもらえるチームに移籍し、今のところは試合に出れていますから。元々は森保監督の秘蔵っ子なわけですから、結果を出し続ければ今年中の代表復帰もあると思います。
中島選手はどうなのでしょう。ポルトの10番ってすごいですよね。ただ、今のところはまだ中心になれておらず、CLも逃してしまいました。まだ監督が中島選手を把握しきれていない、信用できていない印象を受けます。ポルトガルリーグで既に結果を残していますから、ハードルは高いでしょうが、なんとか飛び越えてほしいと思います。


原口選手、小林選手はいま無所属ですかね?どちらも最近は森保監督に呼ばれていますし、なんとか早くチームを決めてほしいです。特に日本代表の2列目は当たり前といえば当たり前ですが攻撃特化の選手が多いので、守備ができ、WGでもWBでも計算がつく原口選手は複数のフォーメーションを試している日本代表に必要不可欠だと思います。
Jリーグに復帰もありだとは思いますが、2人のこれまでの発言を顧みると、まだ海外で戦いたいのでしょうね。現在ジュビロは降格の危機に瀕していますから、小林選手が復帰し、残留。または尊敬する本田選手のように仮に降格してしまったとしても、MVP級の活躍で1年でJ1に復帰する、といったストーリーも小林選手は好きそうですけどね。実際にそれができる能力をもった素晴らしい選手だと思います。


宇佐美選手、井手口選手、酒井高徳選手が海外から復帰しました。
まだちゃんと試合を観れていないのですが、宇佐美選手は早速点をとりましたし、酒井選手も神戸で結果を残したようで。井手口選手は当分試合から離れていましたし、元々の能力が高いことは分かりきっているので、心配ないでしょう。ところで酒井選手は代表復帰はあるのでしょうか。確かクラブに専念するためでしたよね?日本に戻ってきたのであれば、両サイドできる酒井選手は年齢的にも経験値的にもまだまだ代表に必要な存在だとは思いますが。


9月からオリンピック世代の海外遠征が予定されています。まだ正式発表はまだですが菅原選手所属のAZが遠征先と菅原選手の招集をフライング発表してしまったようです。このメンバーが気になりますね。恐ろしいことに、つい最近A代表スタメンが全員海外組となったばかりですが、オリンピック世代も多少無理すれば海外組だけでスタメンを組めてしまうんですよね。


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まあこれはさすがに冗談としても、すごいことですよね。この他にも中村選手や食野選手、あくまで現時点ではまだロマン枠ですが、ピピこと中井選手もいますから。日本サッカーのレベルアップとスカウト対象の年齢低下が象徴されていると思います。今や20代前半の移籍でも遅いといわれていますから。


残念ながらA代表の試合も同時期にありますから、冨安選手や堂安選手は呼ばれないと思いますが、海外組を呼びやすい環境ではあると思いますし、コパ、トゥーロン、それからU20W杯のメンバーが融合されたチームがどんな編成になるのか、まもなくメンバーが発表されると思いますが、予想しながら楽しみにしています。

海外移籍について②

今夏、多くの日本人選手が海外に挑戦することが決まりました。

久保建英レアル・マドリード
安部裕葵(バルセロナ
安西幸輝ポルティモネンセ
鈴木優磨(シント・トロイデン)
シュミット・ダニエル(シント・トロイデン)
菅原由勢(AZ)
天野純スポルティング・ロケレン)
中村敬斗(トゥエンテ)

パっと思いつくのはこのくらいですかね。もし知識不足、書かれていない選手がいたらすみません。それにしてもBとはいえ、レアル、バルサJリーグチームから移籍するという字面は凄いですね。まさしく新黄金世代の到来といったところでしょうか。思えば黄金世代も自国開催のW杯に向けてJFAが力を入れた結果だと聞いたことがあります。そして来年に控える東京五輪。正直、現状は安部選手、菅原選手、中村選手は東京五輪のメンバーに選ばれるか微妙なところだと思います。非常に難しいところではあると思うんですよね。来年に控える東京オリンピックには絶対に出たいと思います。18名しか選ぶことができず。仮に海外に挑戦して試合に出れなかったら選ばれる可能性は低くなってしまいますが、だからといってこのままJリーグで試合に出続けても、安泰とはいえないくらい選手がいると思います。OAもありますし。そんな中、エース候補である小川選手が出場時間を求めて移籍が発表されました。あとは三好選手も気になります。素晴らしい選手なのは間違いないですが、前にも書いたように同じ左利きの堂安選手、久保選手がいて、最近は途中出場が多いので、なにか動きがあるかもしれません。コパで世界に印象を残したことは間違いないですし。
少し前まで、U世代でJ1で出場している選手はまだ少ない印象がありましたが、今世代はJ1でレギュラーでもメンバーに選ばれるか分からない選手が多くいます。本当に楽しみですし、逆に言うと良いメンバーがたくさんいるので、森保監督の人選に対して色々な意見が出ることがあるでしょうね。私なりにもメンバーを考えたりもするのですが、私にとっては完璧なメンバーでも、見てくださった方にとっては理解のできない人選の可能性も十分にありますから、監督は本当に難しいですね。ある程度の結果を出しても不満を言われてしまいますから。


そして、安西選手、鈴木選手、シュミット選手、天野選手はサッカー選手としてはもう若くはない。そんななか、日本代表、そしてサッカー選手としてさらなる成長をするために今回挑戦するとのことでした。鈴木選手以外は既に森保JAPANでプレーをしている選手たちです。もしかすると、このままJリーグでプレーをしていた方が代表に近いかもしれません。でも当然プロの選手たちですし、例えハイリスクであろうとも、ハイリターン、挑戦を求めるのは当たり前のことなのかもしれません。


私はスラムダンクが大好きなのですが、こんなセリフがあります。
アメリカの、その空気を吸うだけで僕は高く跳べると思っていたのかなぁ…。」
読んだことのある人であれば当然有名なセリフなのですが、安西先生の忠告を無視し、アメリカに挑戦して、失敗してしまった谷沢選手の言葉です。私が仮に谷沢選手の立場であったら、同じ行動をしていたと思うんですよね。大学バスケ界の中でも上位にいるはずの自分が、普段は監督に基礎ばかりさせられる(もちろん安西先生には明確な理由があってのことでしたが)。そんな状況であれば、さらなる高みを目指し、チャンスがあるのであれば世界に挑戦したいという谷沢選手が間違っていたとは思えないんです。


ただ、運がなかった。もしくは準備が足りなかった。英語が喋れず、身体能力の高さで活躍していた谷沢選手が本場アメリカで活躍できるわけないんですよね。そして入ったチームも個人プレーばかりでチームとして成り立っていなかったそう。私はこの部分を読み返す度に思い出す選手がいるんですよね。これをここまで読んで下さった方もおそらく想像がつくのではないでしょうか。


以前に本田選手が「とりあえず海外に出ろ」的な発言をしたそうですが、私はそれには賛同できません。以前に「海外移籍について」でも書いたように、絶対に事前の準備は必要だと思います。オファーがきたチームのサッカー、そしてその国の言語の準備は必須だと思います。


そしてもうひとつ私が一番大切だと考えていることが、しっかりと前所属チームにお金を残すこと。そろそろ日本人が世界にいくために自身の価値を安くするというのはやめるべきではないでしょうか。今やW杯決勝トーナメント進出も決して驚きではなく、選手個人でも多くの選手が海外に挑戦できるようになりました。それは世界が日本の若い選手に注目しているということだと思います。ただ、将来有望な若手を獲得し、プロの生活に慣れてチームで活躍する頃には、安いお金、もしくはタダで海外に挑戦してしまう。これだとJリーグになんのメリットもないですよね。経済面も人気も低迷してしまうこともあり得ると思います。


選手自身にもメリットがあって、安い移籍金で獲得した選手は活躍すればラッキー程度の扱いになってしまうんですよね。逆にある程度高い金で獲得した選手は仮に活躍できなくとも、将来的にそれ以上のお金で売却するために、多少なりとも辛抱強くその選手を使う傾向があります。


日本だけでなく、アジアの希望でもある久保選手にはもう少しその部分は考えてほしかった。久保選手なら間違いなく移籍金が発生してもほしいといったチームはあったでしょうし、その自信もあったと思います。代理人にも自身のことだけでなく、Jリーグのことも少し考えてほしかったです。


仮に久保選手がブラジル人だったら、一体いくらの値がついたのでしょうか。

上半期を振り返って

2019年もあっという間に半年が終了しました。早いですねー。自分の中でここ最近の日本サッカー界を振り返ってみたいと思います。


いま日本サッカー界を一番騒がしているのは間違いなく久保建英選手でしょう。弱冠17歳でA代表メンバーに選ばれ、先日レアル・マドリードへの移籍が発表されました。まずはカスティージャに挑戦するようですが、真偽は分かりませんが、報道では1年後のトップ昇格も既に内定済みだとか。昨シーズン活躍したヴィニシウス選手も最初はカスティージャで結果を残し、すぐにトップの試合に出れていましたので、シーズン前のツアーには帯同するとの報道もありましたし、久保選手も来シーズン中にトップの試合に出れるかもかもしれません。可能性は低いかもしれませんが、その可能性があるということだけでもすごいことだと思います。
ただ、ひとつ気になるのが正式発表後のインタビューでも退団セレモニーでもおそらくまだ久保選手の口からレアル・マドリードという単語が出てきていないのではないでしょうか。まだ入団会見もしていないので、その兼ね合いもあるのでしょうが、もしかすると既にレンタル先が決まっていたりするのかなと勝手に想像してしまいました。まあバルサという肩書で幼少時代から相当苦労をされたと思いますから、安易にビッグネームに所属するということを口に出したくないのかもしれませんね。間違いなくメディアにこれまで以上に追われてしまうでしょうから。そういった言動、行動を含め本当に18歳とは思えませんし、期待してしまいます。


トゥーロン国際大会は惜しくも準優勝。ただ、選手には申し訳ないですが、予想以上の結果を残したと思います。コパ・アメリカに選出されてもおかしくない選手が何人もいたとは言え、全試合を観たわけではありませんが、即席チームであそこまで攻守に一体感のあるチームだとは思いませんでした。それまで15得点無失点のブラジル相手に堂々とした戦いをしていたと思います。田中碧選手、長沼選手、旗手選手はコパでも見たかったと思いましたね。これからA代表にも選ばれる可能性は十分あると思います。


そして、遅くなりましたがU-20日本代表の皆様お疲れ様でした。こちらも本人たちにとっては不本意でしょうが、大健闘といって良いのではないでしょうか。大会前から攻守の要を欠き、前線の主軸が2人も途中で離脱してしまうアクシデントがあった中、同じく死のグループを突破した韓国相手に堂々と戦っていたと思います。
そんな韓国が準優勝、イガンイン選手がMVPを受賞ということで、同じアジアのライバルとして悔しい気持ちもありますが、強く良いチームだったと思いますし、同じアジアとして誇らしいとも思います。U-20の選手も当然オリンピックメンバーに入ってくるでしょうし、本当に東京オリンピックのメンバー選考は難しいですね。齊藤未月選手がA代表に選ばれるのもそう遠くはないと感じました。


コパアメリカは残念でした。予選を突破できる可能性があったぶん、本当に悔しい結果となってしまいました。やはり初戦の大敗が痛かったですね。点差ほどの差は感じられませんでしたが、逆にいうとそれがサッカーなのかなと。例えば強豪相手に前半を凌ぎ後半に失点して負けるゲームは、なんとなく意外と善戦したという印象を持ってしまいがちですが、それは立派な強豪チームの戦略なんですよね。特に今回の日本代表は相手からすればデータ不足のチーム。強豪チームといまの日本代表の差は試合中の修正力と適応力だと思います。試合中に相手の弱点をつく、チームの修正を行う、それが日本代表には少し足りないかなと感じました。良い選手が続々と出てきて、少しずつ層も厚くなってきていると思います。その選手たちがチームとしての共通の認識をもち、試合中に試合の分析ができるようになれば、さらに日本代表は強くなると思いますし、正直、強豪国相手にも堂々と戦えるところまできていると思います。森保監督も言っていましたが、その「少しの差」がとても大きくて難しいのでしょうが。


賛否両論の上田選手。大学での試合は観れていませんが、結果だけを調べるとなかなか最近は点を決めれていないようですね。元々私は上田選手の一番の武器は決定力の高さだと思っています。それはU代表での結果を見れば明らかです。相手のレベルというのは当然ありますが。コパ後によく比較されているのが同じ鹿島の先輩である柳沢選手。確かにあの動き出しや位置取りは誰かに教わるというよりは柳沢選手の様にセンスを感じます。それ以外にも意外と競り合いやキープもできていると感じました。言い方が悪いですが、普段対峙しているDFとはかなりレベルの差があるにもかかわらず、動き出しや位置取りはもちろんのこと、競り合いやキープも予想以上にできていたと思います。もちろん大学生とはいえ、日本代表のFWなんですから、あれだけのチャンスがありつつ1点も決めることができなかったのですから、今回はダメだったと思います。しかし例えば5年後、上田選手が日本歴代No1のFWになっている可能性を感じさせました。大迫選手がよくテレビで日本のエースと紹介されているのが少し違和感を感じるんですよね。確かに大迫選手はいま日本代表で欠かせない存在だと思います。ただ、それは日本の武器である2列目を1番生かせられるからであって、決定力はそれほど高くない。まさしく上田選手は柳沢選手のような動き出し、大迫選手のような前線でのキープができ、それでいてどんな形でも点をとれる選手だと個人的には思っています。今回が仮に失格だったとしても、コパ・アメリカでの経験は将来的に日本サッカー界にとって良いことだったと考えています。それは上田選手だけでなく、若い才能のある日本人選手の多くに言えることですね。


ついに9月にW杯予選が始まります。U20W杯、トゥーロン国際大会コパ・アメリカでさらにメンバーを選考するのが難しくなったと思います。個人的にもA代表で活躍できると感じた選手が多くいましたから。23人に誰が選ばれるのか。そして少し話がそれてしまいますが、10番を誰が背負うのか。というのも中島選手がずっと黒のスパイクを履いていたんですよね。契約しているメーカーを変えるときや関係がうまくいっていないときによく黒のスパイクを履く選手がいますが、まさか中島選手もアディダスじゃなくなるんですかね。正直、香川選手との10番争いというメディアが作り出した論争も迷惑というか、どうでもよさそうでしたよね(笑)
仮に中島選手がアディダスじゃなくなり、香川選手が選ばれなかったら、史上最年少、レアル・マドリード所属の10番を見ることができるかもしれません。

エルサルバドル戦

日本代表が2-0でエルサルバドルに勝利しました。相手もメンバーも違うので、なんとも言えない部分もありますが、トリニダード・トバゴ戦と比べると3-4-2-1が機能していたと思います。相手があまり前からプレスにこなかったので、冨安選手と畠中選手から効果的なパスが何度も出ていました。実際に2人のパスからゴールが生まれましたし。
約10年前はSBに比べCBがいないなんて言われていた時期があったと思いますが、いまやだいぶ層が厚くなったと思います。競り合いに強くスピードもあり、攻撃の起点にもなれる。頼もしいです。
原口選手と伊東選手のWBも良かったと思います。不慣れな位置だったので、これからもっと良くなると思いますし、自身がどう思っているかは分かりませんが、引き続き3バックでいくなら彼らのWBを引き続き観てみたいと思います。


この試合のMOMは間違いなく永井選手でしょうが、それにしてもFC東京が強い理由が分かる試合だったのではないじゃないでしょうか。橋本選手もMOM級の素晴らしい活躍をしていたと思います。代表に定着しそうですよね。前回出場した試合もフル出場しているので、森保監督の信頼も厚いと思います。潰しだけではなく、散らしもできて得点能力もあるので、楽しみな選手の1人です。
永井選手はある意味もっていましたね。追加招集ながら結果を残しました。正直、普段の永井選手の決定率はそこまで高くないのに、どちらも素晴らしいゴールでした。森保監督も前線からのプレスで相手のバランスを崩すことを期待していたんじゃないでしょうか。まあ案の定メディアがピックアップするのは久保選手ですから、ある意味もっていないのかもしれませんが(笑)


そして久保選手。私はテレビで観戦していたのですが、急に会場が沸きましたよね。それくらい注目される選手は久しぶりじゃないでしょうか。いつの試合か忘れてしまいましたが、本田選手、香川選手が同時投入される試合があり、そのときも会場が大変なことになっていました。ただ、そのとき既に2人は日本代表の中心。いかに久保選手が注目されているかが分かるシーンでしたね。久保選手にとってはどうか分かりませんが、日本サッカーにとっては良いニュースですよね。森保JAPANが発足し、NMDが話題となりましたが、最近は試合ごとに主役が違う競争の激しい良いチームだと思います。これまであまりサッカーに興味をもっていなかった人が日本代表、そしてJリーグに興味をもつキッカケになったかもしれません。そんなプレッシャーの中、FC東京でやっていることを初代表でも普段通りしてしまう久保選手は長友選手の言葉を借りると「怪物」なのかもしれません。そしてもっと恐ろしいのが、今季の久保選手を観ている人からすれば、久保選手ならもっとできると感じた方は何人もいたのではないでしょうか。今季の久保選手は毎試合このくらいはやりますからね。


ただ、先程日本サッカーにとっては良いニュースと書きましたが、一歩間違うと危険でもあると思います。本人も言っていましたが少しピックアップされすぎですよね。大迫選手がシュートを撃ち、惜しくもライン上でクリアされてしまったシーンや最後のFKは確かに久保選手がフリーでしたし、良いFKを蹴ることができますから、初出場初得点を果たしていたかもしれません。でも、あの場面で大迫選手、中島選手が譲っていたら、セルジオ越後さんの言う通り「興行としては成り立っても、強化にはならない」という事態に陥ってしまうと思います。興行という部分も確かに大事ではありますが、あくまで最終的には日本代表がW杯で好成績を残すための試合なのであって、久保選手のデビュー戦というのがメインになってしまっていたのが少し気になりました。


堂安選手、南野選手は少し心配ですね。アジアカップ以降、調子を落としてしまっていますかね。特に堂安選手はオリンピック世代のエースとされていますから、ここ最近のプレーでは非難されてしまうのも致し方ない部分もあるかと思います。当然悪意ある言葉で貶すだけというのは絶対だめですが。そして、そういった意見を自分の糧にできる選手だとも思っています。ただ、現状少し空回りというか、うまくいっていない状態で森保監督は2試合とも使い続けています。それまで活躍していた伊東選手を下げても堂安選手はフル出場させました。これの意図は分かりませんが、堂安選手はまだ20歳で疑いようのない武器を持っているわけですから、堂安選手が今後も使われてることに対しては異論はないです。ただ、ひとつ気になるのが森保監督が久保選手に対して発言した「育てる」という発言。A代表は育てる場ではなく、そのとき調子の良い、結果を出している選手が1分でも長く試合に出るべきだと思います。もちろん違うと思いますが、仮に堂安選手が贔屓されて試合に出ているとしたら、クラブで結果を出している伊東選手は納得できないですよね。コパ・アメリカでも若い才能のある2列目が多く選出されていますから、9月に始まるW杯カタール大会アジア2次予選のメンバー選考は楽しみですよね。


特に注目しているのは、吉田選手、昌子選手、冨安選手は当確として、CBは畠中選手なのかそれとも植田選手になるのか、もしくは新しい選手が呼ばれるのか。森保監督は今回結果を出した永井選手と同じ役割をコパ・アメリカでは前田選手に期待していると思います。どちらがW杯予選に選ばれるのか、もしくはコンディション次第では森保チルドレンの浅野選手ってこともあり得ると思います。


なんにせよ、まずはコパ・アメリカ。もっといえばU-20W杯で好成績を残し、トゥーロン国際大会も1位で予選を突破し、初の決勝進出、さらには優勝を目指して素晴らしい選手が戦っているわけですから、後々この時期を思い出すと日本サッカーが飛躍的なレベルアップをした時期になっているかもしれません。

トリニダード・トバゴ戦

前記事に書いた予想通り、日本代表は3バックでこの試合に挑みました。原口選手も左のWBで出場し、何度も仕掛けて好機を作り出していました。もしよければ前記事も見て下さい。予想が当たると嬉しいですよね(笑)


観ていた私たち以上に選手たちは消化不良で終わってしまったと思います。相手は大会を直近に控え本気で挑んでくれたようですが、それでも守備の機会はあまり多くなかったですね。危ないシーンもありましたが、割とDF陣は安定していたと思います。昌子選手、冨安選手はクラブでも3バックですし、畠中選手も技術のあるCBですから、観ていて安心できました。森保監督は畠中選手を高く評価しているのでしょうね。私も個人的にはこの試合のMVPは畠中選手だと思います。ただ、もう少しCBの攻撃参加が増えないと今回のような難しい試合になってしまうと思います。シュミットダニエル選手もピンチが何回かありましたが、非常に落ち着いてましたし、すぐに味方にパスを出して攻撃を始めようとする姿勢は素晴らしいと思いました。
攻撃陣は選手が孤立するシーンが多かったですね。細かいパスワークで崩していくのが日本の武器だと思いますが、個人的には改めて日本代表の1番の武器である2列目を少なくしてまで、3バックにする必要はないと思いました。
この試合も長友選手、酒井選手が何度もサイドからクロスをあげようとしましたが、中に大迫選手しかいないため切り返して攻撃が遅れてしまうシーンが何度もありました。これは正直誰も悪くないと思うんですよ。中島選手、堂安選手、それから柴崎選手や守田選手は元々中に入るタイプではないですし、中に入っても競り勝てる可能性は低いと思います。基本的に足元でもらって勝負する、もしくはこぼれ球を狙うタイプなんですよね。


よく海外では活躍するが日本代表では活躍できないと言われる選手がいますが、それはその部分が関係してると思います。海外の選手は体格があるので中に入っていけるのですが、日本人は多くない。そのかわり技術があるので、こぼれてきたボールをうまく扱える、良いポジションにいる。つまり日本人の武器は個人の身体能力というよりは、チームをうまく動かすことのできる、まさしく黒子のような存在だと思うんです。もしくは潤滑油?今回のメンバーは潤滑油タイプの選手が多かったかな。歯車の接触部分をうまく潤滑させられる選手がいても、歯車が接触していなければ意味がない。今回の試合を観ていてそんな感想をもちました。


長友選手の突破力や酒井選手のクロスの精度は素晴らしいと思いますが、でしたら例えば今回召集されたメンバーでいえば大迫選手にプラスで岡崎選手、南野選手など中で勝負できるタイプがいないと難しいかなと思いました。逆に中島選手、堂安選手でいくならば、原口選手、伊東選手をWBで使うくらいでもいいと思います。選手だけでみると今日は3-4-2-1というよりは5-2-2-1になってしまっていると感じました。この微妙な配置って難しいですよね。世界でも3バックのチームが再び増えてきてますが、成功してるチームはこの微妙な配置が絶妙なんですよね。


注目の久保選手はベンチ外。もちろん私も観たかったですが、事前に森保監督はコパにも選ばれているメンバーはベンチ外を示唆していましたからね。ただ、なかなかうまくいっていない状況で、後半に仮に久保選手が出場していたら、と思わせるくらいの活躍を既にJリーグでしていると思います。
森保監督の意見も理解できます。試合後の会見でも言っていましたが、当然サポーターが久保選手を観たいというのは分かっていると思います。そして、私たちが想像もできないようなプレッシャーが久保選手にかかってしまっているんでしょうね。久保選手のこれからのためにも慎重になるのはある程度致し方ないと思います。では何故U-20ではなくコパに呼んだのかという話にもなってしまいますが。


9日に行われるエルサルバドル戦。日本代表は引き続き3バックで挑むのか、4バックに戻すのか。あくまで森保監督はオプションとして今回3バックを試したそうですが、どうなりますかね。選手の試合後の会見を見ると、まだまだ改善の余地はありますが、感覚的には予想以上に良かったということでしたので、今回の試合が無駄にならないためにも私たちは3バックがある程度浸透するまで試合内容はあまり面白くないかもしれませんが我慢する必要があるかもしれません。目先の勝利よりも今後のことを考えるとオプションというのは必須で、長友選手もW杯のベルギー戦で3バックというオプションがあればという話を試合後にしていました。
エルサルバドルの実力が分からないのでなんとも言えませんが、FIFAランクでいうと、トリニダード・トバゴよりも上なので、決して侮れない相手だと思います。


今日の試合で満足している選手はいないと思うので、あまり時間はないですが次のエルサルバドル戦で攻撃のパターンになにか変化がみられることを期待します。