上半期を振り返って

2019年もあっという間に半年が終了しました。早いですねー。自分の中でここ最近の日本サッカー界を振り返ってみたいと思います。


いま日本サッカー界を一番騒がしているのは間違いなく久保建英選手でしょう。弱冠17歳でA代表メンバーに選ばれ、先日レアル・マドリードへの移籍が発表されました。まずはカスティージャに挑戦するようですが、真偽は分かりませんが、報道では1年後のトップ昇格も既に内定済みだとか。昨シーズン活躍したヴィニシウス選手も最初はカスティージャで結果を残し、すぐにトップの試合に出れていましたので、シーズン前のツアーには帯同するとの報道もありましたし、久保選手も来シーズン中にトップの試合に出れるかもかもしれません。可能性は低いかもしれませんが、その可能性があるということだけでもすごいことだと思います。
ただ、ひとつ気になるのが正式発表後のインタビューでも退団セレモニーでもおそらくまだ久保選手の口からレアル・マドリードという単語が出てきていないのではないでしょうか。まだ入団会見もしていないので、その兼ね合いもあるのでしょうが、もしかすると既にレンタル先が決まっていたりするのかなと勝手に想像してしまいました。まあバルサという肩書で幼少時代から相当苦労をされたと思いますから、安易にビッグネームに所属するということを口に出したくないのかもしれませんね。間違いなくメディアにこれまで以上に追われてしまうでしょうから。そういった言動、行動を含め本当に18歳とは思えませんし、期待してしまいます。


トゥーロン国際大会は惜しくも準優勝。ただ、選手には申し訳ないですが、予想以上の結果を残したと思います。コパ・アメリカに選出されてもおかしくない選手が何人もいたとは言え、全試合を観たわけではありませんが、即席チームであそこまで攻守に一体感のあるチームだとは思いませんでした。それまで15得点無失点のブラジル相手に堂々とした戦いをしていたと思います。田中碧選手、長沼選手、旗手選手はコパでも見たかったと思いましたね。これからA代表にも選ばれる可能性は十分あると思います。


そして、遅くなりましたがU-20日本代表の皆様お疲れ様でした。こちらも本人たちにとっては不本意でしょうが、大健闘といって良いのではないでしょうか。大会前から攻守の要を欠き、前線の主軸が2人も途中で離脱してしまうアクシデントがあった中、同じく死のグループを突破した韓国相手に堂々と戦っていたと思います。
そんな韓国が準優勝、イガンイン選手がMVPを受賞ということで、同じアジアのライバルとして悔しい気持ちもありますが、強く良いチームだったと思いますし、同じアジアとして誇らしいとも思います。U-20の選手も当然オリンピックメンバーに入ってくるでしょうし、本当に東京オリンピックのメンバー選考は難しいですね。齊藤未月選手がA代表に選ばれるのもそう遠くはないと感じました。


コパアメリカは残念でした。予選を突破できる可能性があったぶん、本当に悔しい結果となってしまいました。やはり初戦の大敗が痛かったですね。点差ほどの差は感じられませんでしたが、逆にいうとそれがサッカーなのかなと。例えば強豪相手に前半を凌ぎ後半に失点して負けるゲームは、なんとなく意外と善戦したという印象を持ってしまいがちですが、それは立派な強豪チームの戦略なんですよね。特に今回の日本代表は相手からすればデータ不足のチーム。強豪チームといまの日本代表の差は試合中の修正力と適応力だと思います。試合中に相手の弱点をつく、チームの修正を行う、それが日本代表には少し足りないかなと感じました。良い選手が続々と出てきて、少しずつ層も厚くなってきていると思います。その選手たちがチームとしての共通の認識をもち、試合中に試合の分析ができるようになれば、さらに日本代表は強くなると思いますし、正直、強豪国相手にも堂々と戦えるところまできていると思います。森保監督も言っていましたが、その「少しの差」がとても大きくて難しいのでしょうが。


賛否両論の上田選手。大学での試合は観れていませんが、結果だけを調べるとなかなか最近は点を決めれていないようですね。元々私は上田選手の一番の武器は決定力の高さだと思っています。それはU代表での結果を見れば明らかです。相手のレベルというのは当然ありますが。コパ後によく比較されているのが同じ鹿島の先輩である柳沢選手。確かにあの動き出しや位置取りは誰かに教わるというよりは柳沢選手の様にセンスを感じます。それ以外にも意外と競り合いやキープもできていると感じました。言い方が悪いですが、普段対峙しているDFとはかなりレベルの差があるにもかかわらず、動き出しや位置取りはもちろんのこと、競り合いやキープも予想以上にできていたと思います。もちろん大学生とはいえ、日本代表のFWなんですから、あれだけのチャンスがありつつ1点も決めることができなかったのですから、今回はダメだったと思います。しかし例えば5年後、上田選手が日本歴代No1のFWになっている可能性を感じさせました。大迫選手がよくテレビで日本のエースと紹介されているのが少し違和感を感じるんですよね。確かに大迫選手はいま日本代表で欠かせない存在だと思います。ただ、それは日本の武器である2列目を1番生かせられるからであって、決定力はそれほど高くない。まさしく上田選手は柳沢選手のような動き出し、大迫選手のような前線でのキープができ、それでいてどんな形でも点をとれる選手だと個人的には思っています。今回が仮に失格だったとしても、コパ・アメリカでの経験は将来的に日本サッカー界にとって良いことだったと考えています。それは上田選手だけでなく、若い才能のある日本人選手の多くに言えることですね。


ついに9月にW杯予選が始まります。U20W杯、トゥーロン国際大会コパ・アメリカでさらにメンバーを選考するのが難しくなったと思います。個人的にもA代表で活躍できると感じた選手が多くいましたから。23人に誰が選ばれるのか。そして少し話がそれてしまいますが、10番を誰が背負うのか。というのも中島選手がずっと黒のスパイクを履いていたんですよね。契約しているメーカーを変えるときや関係がうまくいっていないときによく黒のスパイクを履く選手がいますが、まさか中島選手もアディダスじゃなくなるんですかね。正直、香川選手との10番争いというメディアが作り出した論争も迷惑というか、どうでもよさそうでしたよね(笑)
仮に中島選手がアディダスじゃなくなり、香川選手が選ばれなかったら、史上最年少、レアル・マドリード所属の10番を見ることができるかもしれません。